obnizでIoTに挑戦 – 書籍『みんなのobniz入門』(古籏一浩)

(ツクレル編集部より)著者による著書紹介、略して「著著紹介(ちょちょしょうかい)」のコーナーです。今回は『みんなのobniz入門』著者の古籏一浩さんに、ご自身の著書を紹介していただきます。


obnizとは

obniz(オブナイズ)は簡単に言うとIoTハブです。ネットワーク経由で接続したデバイスにアクセスできます。開発環境はWebブラウザなので新たに開発環境をインストールする必要はありません。スマートフォンからでもプログラムを作成し制御することもできます。

obnizはWeb技術であるHTML+CSS+JavaScriptをベースにしているため、Webで得たノウハウをそのまま転用・流用することができます。特に既存のWebサービスと組み合わせることができるのは大きなメリットです。また、JavaScriptがわからなくてもブロックを使ってプログラムを作成することができます。

obnizでLチカ

以下のブロックプログラムではobnizに接続した抵抗入りの赤色LEDを点滅させます(「みんなのobniz入門」29ページより抜粋)。

とりあえずブロックで作成しておき、JavaScriptコードに変換することもできます。なお、JavaScriptはブラウザ上で動作するので常に最新のWeb技術を使うことができます。IoTデバイスにありがちなプログラムの容量制限もありません。obnizに接続した複数のIoTデバイスからのデータを収集してビッグデータとして保存し解析して使うといったこともできます。

【図1-1】LEDを点滅させるブロックプログラム
【図1-2】LED点灯
【図1-3】LED消灯
【図1-4】ブロックプログラムをHTML+CSS+JavaScriptコードに変換(全体のコード部分のみ抜粋)

obniz board と obnizOS

obnizはハードウェアとしてのobniz boardと、各種デバイスを操作するためのobnizOSがあります。obniz boardは初めてIoTに取り組む人でも失敗しにくいように設計されています。obniz boardの端子は他のデバイスと異なり自由に用途を決めることができます。どの端子をGNDにするか、デジタル端子・アナログ端子として使うかをプログラムで設定できます。obniz boardは追加ハードウェアなしで、そのままモーターを制御するだけのパワーがあります。obniz board用のキットとしてロボットなども用意されています。本当に初めてで何を買ったらいいか分からない初心者向けに電子部品をセットにしたキットもあります。

公式キット製品
https://obniz.io/ja/products#officialKit

obnizはESP32であればobnizOSを組み込むことができます。2020年10月時点ではobniz board以外にM5StickCやESP32-DevkitCに対応しています(M5StickCはM5公式のM5BurnerからもobnizOSを書き込むことができます)。これらに対応したハードウェアからの信号を入力したり出力することができます。obnizOSは様々なデバイスのIoTハブとして機能します。

obniz製品一覧
https://obniz.io/ja/products

obnizはWebブラウザ上で制御するのが基本ですが、node.jsを利用しても制御することができます。また、定時や定期的に処理を行うこともできます。これらはクラウド上で設定します。

obnizの注意点

便利なobnizですが注意点もあります。obnizはネットワークからI/O制御を行うためネットワーク環境が用意されていることが大前提です(専用のGatewayなども発売されています)。obniz borad/obnizOS上で動くデバイスには作成したプログラムは書き込まれないためネットワークが接続されていないと動作しません。また、制御系に関しては遅延が問題になる場合もobnizは不向きです。

『みんなのobniz入門』はIoTの世界をobnizを使って体験してみたい、挑戦してみたいというIoT初心者でWeb技術者向けの書籍です。手軽に、気軽にIoTデバイスの制御にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

(古籏一浩)

『みんなのobniz入門』

みんなのobniz入門

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