書籍『Raspberry Pi + AI 電子工作 超入門』の楽しい使い方(吉田顕一)

(ツクレル編集部より)著者による著書紹介、略して「著著紹介(ちょちょしょうかい)」のコーナーです。今回は『Raspberry Pi + AI 電子工作 超入門』の著者である吉田 顕一さんに、ご自身の著書を紹介していただきます。


 はじめまして!「Raspberry Pi + AI 電子工作 超入門」の著者の吉田 顕一です。この本は、ニュースや世の中で話題のAIやIoTの技術を、自分で作りながら手軽に味わう事ができるようになっています。またハンズオンや工作教室などで、各作品を手順を追って作る事で電子工作を学べる構成になっています。ぜひ自分で手を動かして、使ってみて下さい!

Raspberry Pi + AI 電子工作 超入門

話題のAIやIoTを手軽に実践

 私が2019年に書いた「Raspberry Pi + AI 電子工作 超入門」は、IoTを代表するRaspberry Piを基本に、AIを使った電子工作の作り方を書いた本です。

 元々私は、仕事とは特に関係なかったArduinoやRaspberry Piなどを使った電子工作を、小学生の子どもと一緒に作るのを趣味としていました。その好きが高じて、MakerFaireなどのイベントに出展したり、教室の講師をしたり、本を書くまでになりました。

 私自身が見よう見まねで始めたので、この本で扱うAIを使った電子工作も、GoogleのAPIなどを活用して、誰でも簡単に始められるようになっています。

AI機能の基本的な説明

 AIにも様々なものがありますが、ここではRaspberry Piから使えるクラウドAPIを利用するものを中心にしています。Googleが提供するAssistant APIやCloud Speech APIなどを使って、面白い作品を作れるようになっています。

ハンズオンや工作教室で使えます

 ハンズオンやイベントなどで使えるように、初心者でも最初から分かるような電子工作の基本的な所からカバーしています。

 最初の第1章や2章では、Raspberry Piとは何か、というのから始まって、Raspberry Piで使用できるAIやそのAPIの仕組みを説明しています。そもそもRaspberry Piが何か知らない人でも理解できるようになっています。

 また第3章では、Raspberry Piの基本的なセットアップやプログラミングのやり方を一通り紹介しています。

Raspberry Piでの電子工作

 4章は、電子工作をやった事がない人でも分かりやすいように、電子工作の基本から説明しています。最初のLチカ(LEDをチカチカさせる)から始まって、ブレッドボードの使い方や、各種センサーの紹介までしています。ハンズオンや工作教室などでも使ってもらえるような、Raspberry PiとAIの入門書として読んでいってもらえればと思います。

 5章以降は具体的なAI電子工作を一つづつ、ステップ・バイ・ステップで作る過程を解説しています。初心者の方でも数千円で2、3時間かければ、何らかのAI機能を持った電子工作ができるようになっています。

いいねと思って作りたくなる作品たち

 それでは5章以降に展開するRaspberry PiでのAI電子工作の作品達を紹介します。見た目にも楽しく、作りたくなるような工作たちだと思います。

 一作品につき、数千円程度、数時間で作れる内容になっていますので、ハンズオン講習会や電子工作教室にピッタリだと思います。実際手を動かしながら、コードを見ながらできるようになっているので、是非試してみて下さい。

第5章: 自作スマートスピーカー

 Google Homeのようなスマートスピーカーを自分で作れたら面白くありませんか? しかも自分なりのカスタマイズされた音声にも対応してくれて(自宅のエアコンや自前の機器と接続など)、今まで買って使うだけだったデバイスが自分のものになる感覚を味わえます。

項目内容
スマートスピーカー
Raspberry Piにマイクとスピーカーをつないで、スマートスピーカーを自作します。各国言語に対応したり、カスタム命令(自宅の機器に接続など)も追加できるようにします。作業時間おおよそ2時間(Google Assistant APIのセットアップがほとんど)
作れる機能、学べる事スマートスピーカーの仕組みGoogle Assistant APIの使い方マイク、スピーカーのセットアップ方法Assistant APIのカスタマイズ
主な部品、参考費用(Raspberry Piに追加して)小型マイク小型スピーカーアンプキットタクトスイッチなど(計約3,000円)

第6章: 音声操作ロボット

 声をかけるだけでこっちに来てくれたり、指令通りに動いてくれたりするロボットを作りましょう。アイデア次第でさまざまな機能を追加できますよ。

項目内容
音声操作ロボット
声で操作できるロボットを作ります。声の指令で前後左右に動いたり、自分なりの機能を追加できます。作業時間おおよそ4時間(モータードライバ、スピーカーのセットアップ、駆動部分のキャタピラの組み上げなど)
作れる機能、学べる事モータードライバによるモーターを動かす仕組み音声コマンドと駆動部分の連動方法電子工作としての追加の機能
主な部品、参考費用(Raspberry Piに追加して)DCモーターギヤボックスモータードライバ駆動部分(キャタピラ)など(計約5,000円)

第7章: 自動議事録機

 ミーティングルームに置いておくだけで、話した内容を自動で記録して、議事録としてメールで送ってくれる!みんなが欲しい自動議事録機が意外と簡単に作れてしまいます。さっと作って同僚をびっくりさせてみませんか?

項目内容
自動議事録機
しゃべるだけでそれを文字起こしして、自動で議事録にしてくれる夢のような機械です。議事録としてメールで内容を送ってくれます。作業時間おおよそ3時間くらい(これまでの音声設定に加えて、外装を作る作業が必要)
作れる機能、学べる事文字起こし STT(Speech to Text)のやり方人工音声合成 TTS(Text to Speech)のやり方メールやLINEとの連携機能
主な部品、参考費用(Raspberry Piに追加して)小型スピーカーアンプキット小型マイクまたはSeeed ReSpeaker(計約3,000円または6,000円ほど)

第8章: AIカメラ

 小型な箱かと思ったら、写真を撮るだけでそこに写っているものを読み上げてくれたり、人物や笑顔を判定もしてくれたりします。画像解析のAIの仕組みが分かるようになりますよ。

項目内容
AIカメラ
顔検出や笑顔判別などができる小型カメラを作ります。何が写っているか喋ってお知らせしてくれたらみんなびっくりしますよ!作業時間おおよそ3時間(カメラのセットアップ、コンパクトに納めるところ)
作れる機能、学べる事Raspberry Piでのカメラの使い方小型バッテリーの設定方法画像解析(Vision API)の仕組み、使用方法
主な部品、参考費用(Raspberry Piに追加して)Piカメラ小型スピーカータクトスイッチ小型バッテリーなど(計約6,000円)

実際手を動かしながら使ってみて下さい!

 もともと私が電子工作を始めたのは、子供と一緒にMakerFaireに参加したのが始まりでした。その後、イベントやそこで知り合った人たち、インターネットの情報などを元に、自分で試行錯誤して学んでいきました。その意味でこの本はその過程を書いたものなので、電子工作やAIなどの知識がない初心者でも、ゼロから読み始められるようになっています。

Raspberry Pi + AI 電子工作 超入門

 まずはこの本を手に取って、コードを真似したり、ハードウェアを組み上げたりしてみて下さい。自分で手を動かす事によって、IoTやAIが身近で自分のものになっていくと思います。Make IoT Yourself! Make AI Yourself! (IoT、AIを自分の手に!)

( 吉田顕一 )

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