Raspberry Pi の名前の由来とは?
かつてのパーソナルコンピューターは、フルーツの名前をつけることが多かったので、それにならって「Raspberry(ラズベリー)」。
そして、開発当初はプログラミング言語「Python(パイソン)」を動かすためのコンピューターとして作ろうと考えていたので、Python Interpreterから「Pi(パイ)」。それらを合わせて「Raspberry Pi」という名前になったそうです。
ラズベリーパイ財団の創設者の一人である Eben Uptonは「マイクロコンピューターの命名の伝統にならってつけた」と言っています。
タンジェリンコンピューター、アプリコットコンピューターもそう。
今でも続いている、コンピューターメーカー「Apple」も果物ですね。
なんでそんなノスタルジックな理由なのか。
かつてそういったマイクロコンピューターが流行したとき、それに触れている人の楽しみはプログラミングにありました。
そういう気持ちがこのネーミングにもこめられている、ということのようです。
時代は過ぎ、それらのマイクロコンピューターに触れる楽しみがいつのまにか変化し、子供の頃や青春時代に、マイクロコンピューターに触れながらプログラミングを楽しむ、という経験が少なくなってきたのではないか、というのがRaspberry Pi を開発した人の懸念点で、実際、家庭用PCやゲームコンソールが台頭してきたときそれらの使いみちはプログラミングではなくなってしまっていたそうです。
大きな視点で国の経済の将来を考えた時にも、エンジニアが増えないと国際的な競争力が保てなくなってしまう。
もう一度、プログラミングしていじり倒すことが楽しみであるかのようなコンピューターを生み出して子どもたちに使ってもらう必要がある。
Raspberry Pi 財団の創設者はそう考えたそうです。
なるほど、そういう理由だったのか…。
最新のラズパイである Raspberry Pi 400がキーボード一体型になったのも、なるほどとうなずけます。
ちなみに、
食べられる方のラズベリーパイは
Raspberry Pie
と書き、
食べられない方のラズベリーパイは
Raspberry Pi
と書きます。Piの部分が違います。
(了)
漫画:湊川あい(みなとがわ あい)
IT漫画家。著書『わかばちゃんと学ぶ Webサイト制作の基本』『わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門』『わかばちゃんと学ぶ Googleアナリティクス』が全国の書店にて発売中。
『マンガでわかるGit』『マンガでわかるDocker』『マンガでわかるRuby』『マンガでわかるサーバー監視』といった、分野横断的なコンテンツを展開している。
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文:深水英一郎(ふかみ えいいちろう)
ツクレル担当。1996年よりCGM寄りのWebサービスの企画開発や運営に関わり、日本一のウェブサイトに贈られるWeb of the Year 年間総合大賞を受賞、3年連続入賞を果たす。ウェブマーケティングへの貢献が認められ、Webクリエーション・アウォード受賞。ニュースサイトの立ち上げやネット流行語大賞を創設するなど、新しいものづくりが大好き。発行部数260万部のメルマガ『ウィークリーまぐまぐ』編集長時に読者の身近にある面白い話をまとめた『まぐまぐVOW』など編著多数。
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