2024年6月17日にソフトバンクはアメリカの生成AI系スタートアップPerplexityとの戦略的提携を発表しました。今回はPerplexityが提供しているサービスの内容や、ソフトバンクとの提携でユーザが得られる恩恵についてご紹介します。
1. Perplexityとは?
Perplexityは検索機能に特化した生成AIサービスです。ChatGPTが公開されたタイミングとほぼ同じ2022年の12月にはサービスがリリースされており、生成AIブームの初期から注目を集めていました。初期のChatGPTはネットの検索機能もなかったため、Perplexityは検索AIとしての地位を築いていきました。しかし、現在のChatGPTや他のAIサービスではネット検索もできるようになってきています。ではPerplexityのサービスにはどのような価値が期待ができるでしょうか。
まず体感として検索結果を示すまでのスピードが速いです。ChatGPTもGPT-4oを発表してから答えを返すまでの速度が上がっていると感じますが、Perplexityは当初から検索結果の表示が速く、すぐに情報を知りたいときに有用です。またChatGPTなどの会話を目的としたAIサービスとは異なり検索に特化しているため、検索結果の表示もシンプルで必要な情報だけを読みやすくなっています。さらにはChatGPTではまだまだリンク先や回答内容とリンクの関係を間違えてしまうハルシネーションを起こしてしまうことがありますが、Perplexityではそのようなミスも少ないです。またフォーカス機能では検索範囲を学術論文やYouTube、Redditなどに制限することもできるため、欲しいと思っている情報をとのズレを減らすことができます。さらにはWolfram Alphaという計算エンジンと連携させることもでき、生成AIが苦手とすることが多い計算問題にも対応することもできます。
またPerplexityは複数のAIモデルを選択して使い分けることができます。Perplexityの独自モデルもありますが、GPT-4o、Claude-3、LLaMa3を選択できます。複数のAIサービスに契約して使用するよりもお得に使用できることになります。このように他の生成AIサービスにはない魅力が詰まっています。またPerplexityの無料版はアカウント登録もなしで簡単に使えるため、気軽にお試しができるのも魅力的です。こちらのリンク<https://www.perplexity.ai>からPerplexityのサイトで使用することができるので、気になった方はぜひ一度試してみてください。
2. ソフトバンクとの戦略的提携の内容は?
ソフトバンクは、ソフトバンク・ワイモバイル・LINEMOのユーザーに対して、2024年6月19日から有料版のPerplexity proを無料で使えるサービスの申し込み受付を開始しました。Perplexity proは通常であれば$20/月の費用がかかるため、現在のレートで考えると年間では3万円以上も得する計算になります。近年の円安傾向では小さくない金額となります。ワイモバイルやLINEMOのような格安の契約形態でも無料で利用できると思えば、Perplexityをそのまま契約するよりもお得だと考えることもできます。
ユーザーへのサービスの無料提供も嬉しい話ですが、それ以外にもソフトバンクはPerplexityとの関係を強固にするための投資も行う予定だと報道されています。2024年6月27日にソフトバンクグループのビジョンファンド2からの出資が予定されているとの報道がされました。このBloombergの報道によると投資の最終決定はされていないとのことですが、1000-2000万ドルほどの出資が計画されているようです。PerplexityにはAmazonのジェフベゾスやエヌビディアも過去に出資しており、投資先としても魅力的な企業となっています。ソフトバンクはYahooの検索サービスもありますが、現時点では棲み分けは考えていないと報道されていますが、ソフトバンクの寺尾洋幸専務執行役員は将来的にはYahooの検索エンジンも見直すとのコメントも発信しています。
ソフトバンクとPerplexityが提携したことで、最先端のAIサービスを使いやすくなりました。仕事の生産性を向上させるためにも積極的に便利なサービスを活用していきたいですね。生成AIのサービスは数が多く動きも早いのでピクアカでは忙しいビジネスパーソン向けに生成AIやIT技術のニュースを発信していますのでご活用ください。