オフィスセンシング、はじめました
XSHELLでは
IsaaxというIoTに特化したPaaSの開発、IoTの受託開発などを行っていますが、種類が増しつつある各種SBCの特長、あらゆるセンサーの特長の把握が必要不可欠です。
そういったデバイスの個性を理解するために温度・湿度・大気圧・マイク・三軸加速度など様々なセンサーを利用して、弊社オフィスという空間をセンシングすることにしました。
オフィスを快適にする
XSHELLが過去に行った受託案件は、実験的な要素を含んだPOC案件がほとんどで、ある特定の環境にIoTを持ち込むことでした。
そこで今回は自社の「オフィスを快適にすること」を目標に、身近な場所で感じている不便や問題を解決するところからはじめて、より大きな課題を解決することができるモデルケースを増やすことを目標にしました。
Sense HATを使って、センシングをします
現在使っているセンサーはRaspberry Piに接続できる「Sense HAT」というラズベリーパイ専用の拡張基板を使用しています。4台セットにして同じ環境構築・実装をしました。
Sense HAT
- 8×8、16ビットLEDディスプレイ
- 慣性測定ユニット(IMU:加速度、ジャイロ、磁力)
- 気圧センサ
- 温度センサ
- 湿度センサ
- 4方向+1方向ジョイスティック(上下左右+押し込み)
Sense HATを使うメリット
Sense HATには空間や、端末の状態を取得するための各種センサーやディスプレイが一つのボードについているため、すぐに使える点がこのSense HATを使う最大のメリットです。
確かに個別のセンサーの部品代自体は安いのですが、それを一つ一つ基盤やブレッドボードに固定して回路を組むといった手間を考えると、このように複数のセンサーが一つのボードについているとスムーズにデータの取得が可能になります。
またRaspbian liteにデフォルトインストールされているライブラリを使えるので、各種センサーを個別に扱うよりもUIやキャリブレーションの方に労力を割くことができます。短縮できるところは短縮して、プロジェクトに必要最低限の時間でプロトタイプを完成させることができました。
データの可視化
Raspberry Pi上でセンシングしたデータを処理・サーバーに送信する部分はPythonを使用しました。サーバーはNode.jsとExpressで構築し、DBは時系列データの取り扱いに向いていると言われているInflux DBを使用しています。
今回は温度と湿度から不快指数も計算できるようにしました。しかし不快指数だけではどういう状態か分かりにくいため、文章として状態を表示しています。というのも、温度や湿度、不快指数といった数字と人間の体感は必ずしも一致しないからです。
環境情報を数値化するのはセンサーの役割ですが、それを人間の尺度に合わせるのはプログラミングや可視化の役割です。下記のようにビジュアル化するとその変化が一目瞭然です。
今後の展望
今回は「オフィスの情報を取得してみよう」ということで、基本的な温度や湿度を取得しました。しかしオフィスにおける課題は尽きることがありません。それを一つ一つ、検証して解決していこうと思います。そのためにセンサーの種類を増やしたり、既存のセンサーをさらに駆使することで取得できる情報をより増やしていきます。
オフィスとは身近であるのに案外、見落としがちなテーマです。しかし一度、考え始めるとそこはイノベーションの宝庫です。「よい製品はよいオフィスから」
これからIssaxはより快適なオフィスで開発されていきます。このように
Isaaxは身近な視点から世界を変革していきます。]]>