なぜRaspberry Pi(ラズパイ)がIoTプロジェクトにおいて注目されているのか

IoTプロジェクトをはじめるにあたって、真っ先に思い浮かぶデバイスは何でしょうか。恐らくRaspberry Pi(ラズパイ)を思いつく人が多いはずです。世の中にはシングルボードコンピュータやマイコンなど多数のデバイスがありますが、その中にあってRaspberry Piのシェアは圧倒的です。

今回はなぜRaspberry PiがIoTプロジェクトにおいてここまで注目されているのかについて紹介します。

1. CPUにARMを選択した

Raspberry PiのCPUはARMです。実行速度こそIntelには及ばないものの、低消費電力での強みがあります。Intelがデスクトップ、サーバ向けのCPUでシェアを誇る一方、ARMはモバイル、タブレット、IoTにおいてシェアが圧倒的です。iPhoneのCPUはA13などですが、この設計を行っているのはARM社です。速度と低消費電力を兼ね備えたCPUとなっています。

スマートフォンに搭載されることで大量生産が可能になれば、価格競争力が生まれます。Raspberry Piのような低価格デバイスでも搭載できるようになります。元々Raspberry Piに搭載されていたCPUはシングルコアでしたが、2以降ではクアッドコアになっており、さらに4ではARM Cortex-A72が搭載されています。ARM Cortex-A72は2015年時点でハイパフォーマンスを誇る製品シリーズとして発表されています(via ARMの新型64bit CPU「Cortex-A72」はXeon並みの性能を3分の1の消費電力で実現。ARM Tech Symposia 2015レポート – 4Gamer.net)。通常、この手のハイエンドなCPUがIoTデバイスのような安価なデバイスで使えるようになるのは時間を要するものですが、大量生産されることで安価に使えるようになっているのでしょう。

スマートフォンの出荷量は飽和しつつあるとは言え、2019年に6800万台を予測しており、その多くのCPUがARMベースとなっています。その恩恵はRaspberry Piにもあることでしょう。

2. HATが豊富

Ardiunoで言えばシールド、拡張モジュールがたくさんあるのがRaspberry Piの魅力を引き上げます。温度や湿度、輝度と言った生活環境に関連するものはもちろん、赤外線センサーやサーボモーターなど、それらを使うことを想像するだけでも楽しくなるようなHATが多数あります。それらのHATを使うためのコード例、作例も多数存在し、自分で一から調べて作り上げることは殆どないでしょう。

Raspberry Piの場合、さらにUSBコネクタがあることで、Webカメラやストレージのようなデバイスを簡単に使えるのも魅力です。OSがLinux系と言うこともあり、多くの場合、ドライバーが提供されています。HATは主にIoT向けの機能拡張ですが、USBはパソコン向けの拡張が多くなります。両面使えるのがRaspberry Piの人気を支えているでしょう。

3. OSが豊富

マイコンとは異なり汎用的なOSを使うのもRaspberry Piの特徴です。公式としてはRaspbianがあり、さらにUbuntuやGentooなどのLinuxディストリビューションも利用できます。また、Windows 10 IoTも利用でき、目的に応じて幅広いOSが利用できます。OSをインストールする手間はありますが、開発者であれば普段使っているLinuxディストリビューションが利用できるメリットは大きいと言えます。

4. プログラミング言語が豊富

例えばArduinoの場合は専用言語(C/C++がベース)、mbedの場合はC++とマイコンの場合は開発言語も制限されることが多いです。その点、Raspberry Piの場合は選択の幅が格段に広いのが特徴です。PythonやLuaは標準で入っており、他にもNode.jsやRuby、C、Goなど幅広い言語が選択できます。これもOSがLinuxベースであることの恩恵でしょう。

プログラミング言語の制限があれば、開発者層も絞られてしまいます。逆に幅広い言語が利用できるのであれば、自分が得意としているプログラミング言語を使ってIoTプロジェクト開発に取り組めるようになります。

5. ネットワークがすぐに使える

Raspberry Piの多くはデフォルトでWiFi、LAN、Buetoothが利用できます。HATのように直接差し込むタイムのモジュールだけでなく、無線通信を行うものもすぐに利用できます。また、インターネットに接続することでクラウドサービスとの連携も容易です。デスクトップやサーバと比べるとどうしても見劣りしてしまうIoTデバイスですが、クラウドを活用することで、その利用範囲は格段に広がります。

モバイルネットワークも専用のHATであったり、USBドングルを使うことで利用できます。ネットワークにおける拡張性の高さはIoTプロジェクトにおいて優位なポイントと言えるでしょう。

まとめ

Raspberry Piは元々IoT用途ではなく、教育用途で利用できる安価なコンピュータとしてはじまっています。それだけに汎用的な部品で安く作られており、子供が使ってもそう簡単に壊れないような丈夫さも備わっています。それらの特徴はIoTでも役立つことでしょう。

今後もRaspberry Piは着実に進化していくことでしょう。皆さんのIoTプロジェクトにおいてもきっと活躍してくれるはずです。

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