この記事ではラズパイとデスクトップPCの相違点を紹介します。違いが分かれば向き不向きや適した利用法も分かるはずです。
価格について
Raspberry Piは性能が上がるのにつれて価格が高くなる傾向にありますが、それでもデスクトップPCに比べると圧倒的に安価です。
種類 | 価格 |
---|---|
4 Model B | 約5,200円 |
Zero WH | 約1,800円 |
3 Model A+ | 約3,300円 |
3 Model B+ | 約5,700円 |
モデルによって多少価格は前後しますが、小型なZero WHであれば2,000円もしません。元々学校でのコンピュータ科学促進のために開発されていることもあって、学校や子供でも手に入る価格帯であることがラズパイの大きな特徴でしょう。
OSについて
デスクトップPCの場合、開発しているメーカーによってWindowsやmacOSが搭載されています。中にはLinuxを好んで使っている人もいます。Raspberry Piの場合、Linuxディストリビューションが基本です。DebianをベースとしたRaspbianが公式OSとして存在します。サードパーティー製のOSとしてはUbuntu(Mate/Core/Server)、OSMC、LibreELEC、Mozilla WebThings、PiNet、RISC OS、Weather Station、IchigoJam RPiが登録されています。
Raspberry Pi Downloads – Software for the Raspberry Pi
必要な機器
通常、WindowsやmacOSといったデスクトップPCを購入した場合、キーボードやマウスが付属しています。一体型の場合はディスプレイも付属しているでしょう。ノート型PCの場合はそれらはすべて含まれています。ラズパイの場合、本体だけ購入してもそのまま動かすことはできません。まず、以下を用意しなければなりません。
- キーボード(USB接続)
- マウス(USB接続)
- ディスプレイ(HDMI接続)
- SDカード(マイクロSD)
- 給電用ケーブル(USBまたはACアダプタ)
さらに4 Model Bであったり、Zeroの場合はミニHDMIの変換コネクタであったり、給電用のUSB変換コネクタが必要です。一旦セットアップして、外部のコンピュータから接続できるようになればキーボードやマウス、ディスプレイは不要です。一時的なものなので、デスクトップPCのものを一時的に使っても大丈夫です。また、上級者であればそういったものを使わずにセットアップすることもできますが、初学者の場合は用意しておいた方がいいでしょう。
できること
ラズパイは小型、安価であることからも分かる通り、マシンリソースは少ないです。計算能力であるCPUは最新の4 Model BであってもARM 1.5GHzクアッドコアとなっています。3 Model B+と比べると数倍高速化していますが、それでもデスクトップと比べると圧倒的に遅いです。デスクトップPCを置き換える存在とは考えない方がいいでしょう。
ラズパイにはモジュールと呼ばれるセンサー類を接続できます。これらのセンサーデータを収集してクラウドに送信したり、逆にクラウドからデータを受け取ってセンサーを反応させたりといったIoTに関係するプロジェクトは得意です。さらにUSBが接続できますので、デスクトップPCなどで使われるUSB機器(ストレージやWebカメラなど)を接続することもできます。また、4 Model Bになって高速化したことで、クラウド上で計算処理を行うのではなく、ラズパイ上でエッジコンピューティングとして計算処理させることも十分可能になりました。
手軽さ
デスクトップPCが10万円以上するのに対して、パズパイは安価です。ストレージについていえばSDカード程度なので、万一壊れても数千円で済みます。SDカード自体、耐久性には限度がありますので、書き換え処理が随時発生する環境であれば1年も持たずに壊れることでしょう。また、十分に堅牢ではありますが、PCに比べると壊れやすいです。しかし万一壊れたとしても本体は5,000円程度なのであらかじめ予備を買っておいてもいいくらいの価格帯でしょう。少なくともデスクトップPCよりは金銭的、精神的ダメージは小さいはずです。
そうした意味ではハードな環境であったり、チャレンジングな使い方も積極的にできます。小型で軽量なので、デスクトップPCでは難しいような場所(天井など)でも簡単に配置できます。運用さえはじまってしまえば、電源ケーブルがあれば十分になります。
注意点
ラズパイは回路がむき出しになっているので、なるべくケースに入れて使った方がいいでしょう。モデルによってコネクタの場所や形が変わっているので、適したものを選んで使ってください。
Raspberry Pi 4用アルミケース – スイッチサイエンス
また、4 Model Bは処理能力が高い反面、熱を持ちやすくなっています。ヒートシンクを使うか、専用の冷却ファンを使うのがお勧めです。デスクトップPCの場合、元々ファンが付いていますので、こうした心配は不要でしょう。
まとめ
2020年05月現在、小型さを求めるのであればZero WH、それ以外の用途では4 Model Bを選ぶのが鉄板のようです。4 Model Bはメモリサイズがいくつかのパターンがありますが、予算が許すなら4GBを選ぶのがいいでしょう(2GBと4GBで2,000円くらいの価格差です)。
デスクトップPCの置き換えを目指すのではなく、適した目的に合わせてパズパイに触れてみましょう。
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