実際にはそんなことはありません。もちろんIoTの王道はそういったデバイスとセンサーを組み合わせたものになるでしょう。しかし、もっと手軽に、とりあえずはじめてみるというのであれば、ノートPCだけでも十分にはじめられます。
今回はそんなノートPCに搭載されているセンサーについて紹介します。
位置情報
位置情報はGPSを使わないと取れないと思われがちですが、そんなことはありません。GPSは衛星を使っているので地下やビル内では極端に精度が悪化します。そのため携帯電話の基地局、WiFiなど様々な情報を組み合わせて位置情報は取得されています。
ノートPCでも位置情報は取得できます。これはノートPCのある場所を記録したり、探すのに使えるでしょう。
加速度センサー
スマートフォンにも搭載されている加速度センサーはモーションセンサーとも呼ばれます。X/Y/Z軸における動きの変化を検出するのに使えます。例えば置いておいたノートPCが動いた場合(盗難など)に検出することもできるでしょう。
Webカメラ
最近のノートPCにはまず搭載されているWebカメラも入力として利用できます。常時オンにしておいて、映像に変化があったら通知する仕組みであったり、カメラに写った映像を画像化して、写っている物体を検出するといった機械学習との組み合わせもよく行われています。
温度センサー
ノートPCにある温度センサーは外気温や室内の温度を測るものではなく、CPU周囲の温度を測定するのに使われています。CPUの温度が上がりすぎるとパフォーマンスが劣化するため、定期的にチェックするのもいいでしょう。
人感センサー
一部のノートPCでは人感センサーを使って、離席した際に自動的にロックする仕組みを提供しています。プログラミングから利用できるかは不明ですが、もし使えるならばWebカメラと合わせた認証の仕組みが実現できそうです。
指紋認証
Windows HelloやmacOSのTouch IDのように指紋認証が利用できます。主に多要素認証向けになります。こちらはSDKで隠蔽されているケースが多いですが、何らかのセキュアなデータを指紋認証で解除するといった使い方ができます。
音声入力(マイク)
SiriやCortanaのように音声入力、音声認識も便利なセンサーです。これらの技術を使わずとも、内蔵のマイクを使って音声による動作制御が可能です。スマートスピーカーのような実装であったり、物音を検知した際に通知するといった仕組みも作れるでしょう。
スピーカー
音を入力ではなく、出力するスピーカーもIoTではよく使われます。通知するのに使ったり、定期的に音を鳴らすといった使い方も考えられます。テキストから音声読み上げを行ったり、別なセンサーがしきい値を超えたら、音楽を流すといった使い方もできます。
Bluetooth
多くのセンサーは有線ですが、最近ではBluetoothやUSBで接続するタイプのものも増えています。BluetoothはノートPCにもありますので、それらのセンサーと連携するのは難しくないでしょう。例えば心拍計などの生体センサーからデータを取得する、ビーコンと連携させるなどといった使い方が考えられます。
ネットワーク
IoTといえばネットワークが必須です。ネットワークは有線、無線が考えられます。ノートPCでは、それらのネットワークが有効であるか、無効であるかを取得できます。オフライン時にネットワークを使った通知は難しいですが、Bluetoothを使った連絡はできるかも知れません。ネットワークが落ちた時に何らかの処理を行いたい時に使えるでしょう。
まとめ
ノートPCによって搭載されているセンサーは異なりますが、意外と数多くのデータが使えると分かってもらえたでしょうか。これらを利用し、インターネット上のデータとやり取りするだけでも十分なIoTプロジェクトになります。もしうまく稼働するようであれば、ラズパイなどのマイコンに実装し直してもいいでしょう。
ノートPCであれば元手や準備もごくごく手軽に済みます。ぜひトライしてみてください!
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