今回はそんなAI/機械学習 × Raspberry Piの事例をまとめて紹介します。
コロナ禍
2020年2月以降猛威を振るっているコロナウイルスによって、世の中の状況は一変しています。そんな中、多くのプロジェクトも生み出されています。
体温を検知する
コロナ禍にあって、体温検知に対するニーズが急激に高まりました。特に非接触型で、担当者がいなくとも体温を測定できる仕組みが人気のようです。オフィスはもちろん、工場などでも利用できるでしょう。顔を認識した上で、検温を開始します。
こちらも同様の非接触型の検温システムです。Webカメラによる顔認識と、サーマルカメラによる温度認識を組み合わせて検温しています。ウォークスルーなども想定されているそうです。
非接触型タッチレス操作
ディープインサイト – Embedded Deep Learning Framework –
KAIBER Liteという画像分類に特化したディープラーニングフレームワークを用いたデモです。コロナ禍で注目されている非接触型のUIをディープラーニングとラズパイで実現しています。つまむ(ピンチ)動作でクリックやタップ相当の操作ができるようになっています。
混雑状況を可視化する
comieru Liveはカメラで人を認識し、混雑状況の可視化と配信を行います。人が映った映像をそのまま流すのではなく、人をアイコン化してプライバシーを保護しています。混雑状態を配信したり、カウントをグラフ化して可視化もできます。
認識・予測する
ディープラーニングの活用例として有名な文字や物の認識、音から機械の稼働状況の認識の例を紹介します。いずれもRaspberry Piで動いてます。
数字の認識
ラズベリーパイと機械学習(python)を使って数字認識してみた
カラー図解 Raspberry Piではじめる機械学習 基礎からディープラーニングまでに掲載されている数字認識を試したレポートです。実際の認識率は50%程度とのことです。
きゅうりの仕分け
「ディープラーニング×きゅうり」の可能性に、たったひとりで取り組むエンジニア – GeekOutコラム
キュウリの仕分けにTensorFlowを用いて機械学習を利用しています。液晶ディスプレイの上にキュウリを置くと、即座に等級を判別してくれます。
ディープラーニングでおしっこ検知
RasPiとディープラーニングで我が家のトイレ問題を解決する – Qiita
子供のトイレ問題を解決するためにRaspberry Piのカメラ画像を解析しています。TensorFlowとKerasの組み合わせになっています。転移学習を用いることで、モデル作成を簡易化しています。
じゃんけんロボットハンド
Raspberry Piでの機械学習により人間の手を予測するロボットハンドとじゃんけん勝負 – YouTube
機械学習を用いて人が次に出しそうな手を判定、ロボットハンドを操作します。学習を重ねることで勝つ可能性が高くなっているのが分かります。
レーザー加工機の動作状態を音で判定する
機械学習とRaspberry Piを用いてレーザー加工機の動作状態を判定する(第1回) – Qiita
レーザー加工機の焦点が合っていないと煙が多く出てレンズが汚れたり、フィルタが詰まるといった問題がありました。それを加工機の動作音を学習することで、状態に応じてLEDを色分け表示しています。
天気を予測する
ディープラーニングに魅せられ、「天気予測システム」まで自作してしまった男 – ITmedia エンタープライズ
Webカメラで自宅前を撮影し、気温や湿度、気圧といったデータと合わせて数時間後の天気を予測するシステムを構築しています。
トランプゲーム
TensorFlowとEdge TPUを組み合わせてエッジAIを実現しています。トランプを認識し、絵柄を表示するデモとなっています。これを使うことで、ポーカーのようなゲームをオフラインであっても楽しめるようになります。
製品版
物体認識においてカメラを用いて、それをラズパイ上(エッジ)で認識するという仕組みがSORACOMより製品化されています。S+ Camera Basicは通信モジュール、SIMカード、カメラ、電源が一体化されており、電源を入れるだけですぐに利用できます。
カメラは左右に回転可能で、本体全体も上下に稼働できる仕組みになっています。
AIアクセラレータ
Raspberry PiのCPUだけだと処理能力不足になる場合に役立つのがAIアクセラレータです。
Movidiusを使ってみる
RaspberryPi 3B+とIntel Movidius Compute Stickで、サンプルコードを動かす – KOKENSHAの技術ブログ
RaspberryPi 3B+にIntel Movidius Compute Stickを刺して人の認識を行うまでのレポートです。
Coral Acceleratorを使ってみる
Coral AcceleratorとRaspberry Pi3でビデオストリームから物体認識 – KOKENSHAの技術ブログ
Raspberry Pi3 3B+とCoral Acceleratorの組み合わせで動画の物体認識を行っています。レスポンスが12ms程度となっており、実用レベルではないでしょうか。
クラウドのAIサービスと組み合わせる
日本語の質問に答える
Raspberry Pi で Watson 日本語質問応答システムを作ってみた
IBMの提供するWatson APIを使い、日本語で質問と応答ができるシステムを作ってみた事例です。ただし、Watsonは記事作成時には日本語に正式対応しておらず、最終的にはGoogle Speech APIを利用しています。
音声操作で撮影する
第1回 ラズパイでAIカメラを自作しよう! 初めの一歩、ラズパイに目、耳、口を追加する | Device Plus – デバプラ
音声認識による撮影、その画像に写っている物体認識を行っています。エッジではなくdocomo APIを利用しています。
Alexaを動かす
Raspberry Piで日本語Alexaを動かすセットアップ手順 – 打つか投げるか
Raspberry Piにマイクとスピーカーを付けてAlexa風に仕上げます。
自動運転
迷路を解く
迷路の最短経路を導き出し、タイムを競い合うマイクロマウスという競技に適合しているロボットです。経路探索のアルゴリズムは人工知能の基礎として数種類考案されています。
ラジコンカーの自動操縦
ラジコンカーの自動運転(ドンキーカー) | 有限会社はじめ研究所
タミヤのランチボックスにRaspberry Piを搭載し、ラジコンカーを自動操作しています。時間の経過と共に経路が安定しています。
より本格的な自動運転対応のラジコンキットが登場しました。PiRacerはカメラを搭載し、TensorFlowとKeras、そしてOpenCVによってコースと操縦の判断を行います。また、ワイヤレスのゲームパッドやPC、スマートフォンなどからも操作できます。
GoogleのAIYキット
GoogleはAIを簡単に試すことのできるRaspberry Pi用のキットを販売しています。Google HomeやGoogleレンズのようなシステムをDIYで作れます。
Vision Kit
AIカメラです。撮影した画像からモノや人を認識し、アクションを実行できます。
Voice Kit
AIスピーカーです。Googleアシスタントと同等のことができます。V2ではRaspberry Pi Zero WHが同梱されています。
なお、Voice Kitを使ったIoTシステムの開発を学ぶにはisaax IoTエンジニア養成キットを使ってください。
DeepDreamを動かす
Raspberry PiはDeep Learningの夢を見るか?「DeepDreamでグロ画像生成」 – karaage. [からあげ]
DeepDreamをRaspberry Pi上で動かします。DeepDreamは人工神経ネットワークが夢の世界を再現します。
二足歩行のロボット
二足歩行のロボットです。独自の仕組みにより、これまでにない安定性とスムーズさで歩行します。また、横方向への歩き、縦回転、横回転といったアクロバティックな動きも可能です。倒れても自分で立ち上がることができます。
本体価格は297,000円となっています。半年からの契約で、月30,000円からレンタルも可能です。
スマートミラー
ラズパイ4とカメラで顔認証付スマートミラーAIを構築している動画
SmartBuilds.ioで公開しているラズパイ用のOSを組み込んだスマートミラーです。Googleカレンダーからスケジュールを読み込んだり、天気を表示したりできます。音声認識が組み込まれているのでAlexaを使って音楽を流すといったことも可能です。
まとめ
現在のところ、最も多いのは画像認識でしょうか。動画認識を行う場合は別途外部GPUが必要になります。そしてエッジで処理するのか、クラウドサービスを利用するのかで実現できることに差が出そうです。
Googleのようにすでに製品として簡単に使えるようになっているキットを販売しているケースや、書籍になっているものもあります。これらを使うことで闇雲にRaspberry Piと機械学習を合わせるのではなく、手軽に体験できるようになるでしょう。
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