【受講後インタビュー】マクセル社様:ピクアカ研修「IoT講座、デザイン思考講座」

アナログコア技術を基盤とするマクセル株式会社様は、IoT-AI技術を活用した業務改善や新規事業開発にも積極的に取り組もうとされております。

2021年度から、マクセル様はピクチャーアカデミー(Picture Academy)を使用し、デザイン思考のフレームワークを利用したワークショップを開催されております。この研修で、同社はIoTとAIを利用した技術力と解決力の向上だけでなく、課題設定力と企画力も同時に強化することができました。

研修終了後、同社は完成したプロトタイプによる社内コンペを開催し、そのプロトタイプが業務改善に役立っていることが確認されています。

今回は、新規事業統括本部企画管理部の香月氏に、研修の導入理由から感想、そして完成したプロトタイプの活用方法について詳しく話を伺いました。また、研修を受けた2名の参加者からも直接話を聞くことができました。

■受講内容

利用教材

  • ピクアカ、ツクレルものづくり速習シリーズ

研修内容

  • 教材自習+対面研修2回+オンライン研修10回(約2週間に一回)で、合計6ヶ月間

参加者

  • 企画、開発、設計、生産等の業務に関わる社員様6名+同社内の研修サポーター3名

■研修サポーター香月さん

――普段取り組まれている業務について教えてください。

私たちは新しい事業を創出するための仕組み作りと施策作りを進めています。

――研修の中で印象に残った内容やポイントはなんでしょうか?

技術面においては、講師が教材にない部分まで丁寧に解説してくれたことが有益でした。これにより、初心者だけでなく経験者にも役立つ内容になっていました。また、問題に直面した際の調査と解決の手順について説明してくれたのも良かったです。

デザイン思考のセッションでは、「エンドユーザーはどう感じているだろうか?」を探る講義が印象的でした。受講者へのアンケートで、「もっとデザイン思考について学びたい」という意見が多く寄せられたのには驚きました。

――研修を受ける前と後で、受講された方にスキルや知識の変化は見受けられましたか?

この教材の特徴は、様々なレベルの参加者が同時に学べることだと思います。全てのレベルのメンバーがスキルを向上させていたと感じています。私たちの目標であった「IoTとAIを理解する人材」を増やすことができたと考えています。

――今後の研修でやっていきたいことがあればお聞かせください。

技術スキルの研修は続けつつ、デザイン思考の部分をさらに強化したいと思っています。今年は、ピクアカと共同で、これらの要素を取り入れた新たなプログラムを企画し進行中です。

――ピクアカ教材導入の経緯を教えていただけないでしょうか?

会社として、IoT-AIに注力する方針を立てていたものの、デバイス活用の知識を持つメンバーの育成が十分に進んでいませんでした。AIについても、「組織として」の教育は、せいぜい一日のセミナーで大まかな理解を得る程度でした。さらに、デバイスを活用したプログラミングスキルの習得は難易度が高く、例えばオンラインでのIoTやAI関連の教材は、英語が主流でした。

そんなとき、ツクレルさんが日本語で初心者から始められる教材を提供していることを知り、「まさにこれが求めていたものだ!」と感じ、研修導入を決定しました。受講にあたっては社内有志が積極的に動いてくれました。 

――過去にIoT-AI技術教材や研修の利用経験はありましたか? ツクレル教材を利用した決め手はなんでしょうか?

私自身は、Udemyやオンライン情報を元に自学してきました。しかし、ハードウェアが絡むと学習の難易度が一気に上昇します。まず、ハードウェアを自分で購入する必要があり、そのハードウェアの種類も多く、それに関する情報収集をする必要があり、本来の学習の進行が難しくなっていました。

ツクレルの教材は、使用するハードウェアが明確であり、同時に教材とハードウェアを手に入れられることが魅力的でした。教材で達成できるレベルの高さ、困ったときに利用できるQ&Aフォーラムの存在等、選択の理由はいくつもありましたが、全て日本語で学習が進められる点が最大の決め手でした。

――研修形式にした理由と、研修でデザイン思考を活用したのはなぜでしょうか?

私の経験上、単独で学習を始めた場合、困難に直面すると継続が難しくなる傾向があります。しかし、一緒に学習する仲間がいると、継続は容易になります。そして継続することで理解できる範囲が広がり、学習が楽しくなってきます。この好循環を生み出したいと考えていました。

特に当社では、プログラミングに詳しくないメンバーもおり、「継続できる仕組み」が重要だと感じていました。そのため、仲間と共に学習を進めることができる研修形式を選びました。

また、私は、ただ教材を進めるよりも、自分で考えて作成する方が学びが深まると考えています。そのため、自分で考えたアイデアを形にする学習を取り入れたかったのです。それには、アイデア出しにも必要なデザイン思考の学習が必要となりました。実は、既に他の研修で「ユーザー中心」の考え方を導入し始めており、デザイン思考の学習もスムーズに進みました。また、ピクアカには、米国でデザイン思考を深く学んだ講師がいたのも大きな要因でした。

次に、実際に研修を受けた方々からの感想もご紹介します。

■研修受講者Iさん

――まず、普段取り組まれている業務について教えていただけますか?

電池パックや電源の開発業務に従事しています。

――研修の中で印象に残った内容やポイント等、受講された感想をお聞かせください

PythonとRaspberry Piを用いて、多種多様な事ができることが驚きでした。当初は、その仕組みもわからないまま、プログラムを単に模倣することからスタートしましたが、徐々に仕組みが理解でき、自分の意図通りに動かせたときの瞬間の喜びは大きかったです。夏の間、ずっとプログラムに没頭していたことが、今となっては懐かしく感じます。

――研修を受ける前と後で、スキルや知識の変化はありましたか?

プログラミングについては、初級レベルの知識はしっかりと身につけることができたと思います。また、世の中のIoTデバイスについて、研修前はその構造や仕組みを予想することさえ難しかったのですが、研修後はある程度予想できるようになり、さらにその領域に対する興味も増しました。

――研修中やその後、研修で得た知識を活用する場面はありましたか?

現在、仕事でその知識を活用する機会はまだありませんが、研修で提供されたRaspberry Piを時折使い、操作方法を忘れないようにしています。作成したセンサーライトは現在も使用しています。(下写真)

――研修ではどのようなプロトタイプ作成に取り組みましたか?

私は、「定点観測カメラ」、「顔認識見守りカメラ」、そして「センサーライト」の開発に取り組みました。

ありがとうございました。もうひとり、研修を実際受講された方からお話をききました。

■研修受講者Bさん

――まず、あなたが普段携わっている業務について教えていただけますか?

私は光学製品の開発業務に従事しています。

――研修の中で特に印象に残った点や、研修の感想を教えてください

研修は同じ習熟度の受講者が共有する疑問点を確認しながら進行していく形でした。そのため、つまずきやすいポイントを理解しながら効率的に学習することができました。プログラミング初心者である私にとって、IoTデバイスを操作することは非常にハードルが高く感じられましたが、自分で組んだプログラムで実際にIoTデバイスが動作する様子を見ることができたのは、プログラミングのやりがいや面白さを感じるきっかけとなりました。

――研修前と研修後で、あなたのスキルや知識にどのような変化がありましたか?

研修前はプログラミングに関する知識がほとんどありませんでしたが、研修後はPythonプログラミングの基本的な思考法や、それに基づくプログラミングスキル、そしてIoTデバイスの活用例とその実装方法などを理解し、身につけることができました。

――研修中やその後、研修で得た知識を活用する場面はありましたか?

研修で学んだスキルを活かして、業務の効率化や新規開発分野の開拓に取り組むことができました。

――研修中、どのようなプロトタイプ作成に取り組まれましたか?

教材で学んだ「温湿度センサからの情報取得」の知識を活用し、加速度センサーやジャイロセンサーを使用した乗り心地評価システムを開発しました。試験環境では、自分が運転する自動車にそのシステムを搭載し、取得したデータに基づく乗り心地指数の計算結果を確認することができました。

――ありがとうございました。

この度のピクアカの企業研修では、IoT-AI学習とデザイン思考を一緒に行い、最終的には実用的なプロトタイプの制作に取り組むという流れでした。実際の業務にも活用できるという、大変有意義な研修でした。マクセル株式会社の研修受講者の皆さん、そして研修サポーターの皆さん、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

マクセル株式会社
maxell

マクセル株式会社は、電池、磁気テープ、光学部品、理美容製品、健康製品、医療製品など、幅広い製品を提供する日本の企業です。1960年に設立され、その名前は「Maximum Capacity Dry Cell」の略で、最高の性能を持った乾電池を意味します。


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