Raspberry Pi(ラズパイ)でZoomを動かして、コスパ最高なリモートワークのビデオ会議専用端末を実現

zoom on the Raspberry Pi

コロナウイルス(COVID-19)の影響でリモートワークを余儀なくされている方は多いかと思います。さらに、その結果としてミーティングもオンラインに移行するケースが増えています。

オンラインミーティングを行うツール、サービスは多々ありますが、最も話題に上がっているのはZoomではないでしょうか。今回はZoomをRaspberry Pi(以下ラズパイ)で動かしてみました。

利用するOSはUbuntu Mate

ZoomはGUI環境で動作しますので、何らかのデスクトップ環境が必要になります。ラズパイでもいくつかの選択肢がありますが、今回はUbuntu Mateを選択しています。

まず最初にUbuntu 19をインストールし、その後ターミナルでUbuntu Mateをインストールします。筆者環境では3GBを超えるインストールがあり、終わるのに4〜6時間かかったようです。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade
$ sudo apt install ubuntu-mate-desktop

Webブラウザの変更

Ubuntu MateにはデフォルトでFirefoxがインストールされていますが、今回はChromiumをインストールしています。Google ChromeはARMに対応していないのでインストールできません。Chromiumであれば、aptでインストールできます。

$ apt install chromium-browser

クライアントアプリは利用不可

Zoomでは専用のクライアントアプリを配布しています。ただし、こちらもARMには対応していないので、ラズパイにはインストールできません。そのため、ZoomはWebブラウザから使う形になります。

なお、一般的にはミーティング用のURLが提示されれば、Webブラウザからユーザ登録なしで使えるのですが、Chromiumからはユーザ登録が求められてしまいました(WebブラウザやOSに依存するのかは不明です)。

カメラ、マイク、スピーカーについて

オンラインミーティングの際にはカメラ、マイク、そしてスピーカーが欠かせないでしょう。Raspberry Pi 4のジャックはイヤホン(出力)のみなので、マイクとしては使えません。一番手軽なのはUSB型のヘッドホンであったり、マイクを使うことでしょう。

スピーカーはジャックにイヤホンを差し込めば問題ありません。カメラもカメラモジュールよりも、USB接続のWebカメラを使った方が手軽です。今回試したのはeMeet C960です。

ヒートシンク必須

実際にミーティングで試してみたのですが、動画を流すとCPUの温度は相当上がるようです。途中で熱が上がりすぎている注意アイコンも出てきました。長時間のミーティングを行う際にはヒートシンクを付けるなど、排熱対策が必須といえるでしょう。

実際に試してみた感想

ラズパイ上でZoomを動かした場合、多少のコマ落ちは感じるものの、まったく使えないという感じではありませんでした。もし気になる場合はカメラをオフにすればいいでしょう。音声は特に問題ありません。

画面共有を行う場合、スクロールがスムーズでない場合もありました。スライドなどを見せる分には問題ありませんが、Webページを素早くブラウジングしたりすると、遠隔で見ている人には動きが悪いと感じられてしまうかも知れません。

まとめ

Zoomは自宅勤務が当たり前になっている現在、一気に注目を集めているサービスです。その一方、セキュリティ上の懸念も多く情報が出ています。メインのPCで使うのにちょっと躊躇してしまう方は、Raspberry Piを使って専用デバイスにしてみるのもよさそうです。Raspberry Piであればカメラやマイクについて、PCで使っているものがそのまま使えますので手軽でしょう。

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