2023年3月1日にChatGPTのAPIが公開され、製品やサービスに応用可能となりました。特に、商品管理や顧客対応の効率化を求める企業が大きな期待を寄せています。
そこで今回は、ChatGPTのAPI活用事例をビジネスパーソン向けに紹介し、活用時の注意点もお伝えします。
1.APIの概要とChatGPTで使うときの料金
APIは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略で、異なるソフトウェアやサービスを連携させる役割を持ちます。
企業でも、業務ソフトやプログラムをAPIで連携することにより、効率化が期待できます。特に、ExcelやGoogleスプレッドシートとの連携は、ChatGPTのAPIを活用しやすい事例として挙げられ、その投資対効果も注目されているのです。
料金は、1000トークンあたり0.002円です。※トークンとは、ChatGPTのAPIでテキストを処理するときの単位です。
最新情報は、必ず公式サイトで確認して下さい。
公式サイトURL:
https://openai.com/pricing
2.ChatGPTのAPIで何ができる?企業の活用事例
APIの活用手法を、企業の事例を交えてお伝えいたします。
(1) クックパッド株式会社
「クックパッド株式会社」は、ユーザーと食品製造企業がコミュニケーションをとるプラットフォーム「メーカーズタウン」を運営しています。
同社は、顧客からのコメントの増加に伴う返信の作業負荷を解消するため、ChatGPTのAPIを導入しました。結果、基礎的な返答パターンをChatGPTに生成させ、加筆修正することで、作業の効率化を実現しました。
ChatGPTは、自然な返答を生成できるため、クオリティの高いコミュニケーションが期待されています。
(2) 株式会社picon
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000027865.html
「株式会社picon」は、LINE bot「AIチャットくん」をリリースし、1ヶ月で登録者数が100万人、総メッセージ数が2000万回を超えました。
このサービスは、LINE上で簡単にAIとチャットができるもので、献立作成やビジネスメール作成、人生相談などをサポートしてくれます。
同社はOpenAIのWhisper APIを使用して、音声をテキストに変換し、ChatGPTが返答するシステムを導入し、スムーズなコミュニケーションを可能にしています。
(3) LegalOn Technologies
「株式会社LegalOn Technologies」は、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」に「条文修正アシスト」という新機能を追加し、ChatGPTのAPIを活用して、契約書の修正を支援しています。
法務担当者は契約書の修正に労力を要しますが、この機能により効率的な審査が可能になります。さらに、オンラインエディタとの連携でスムーズな修正が実現されます。
セキュリティ面では、Microsoft社のAzure OpenAI Serviceを用いることでデータの安全性が保証されており、情報漏洩の心配が少ないといえます。
3.ビジネスパーソンがChatGPTのAPIを活用する際に気をつけるべきこと
ChatGPTは、ビジネスパーソンにとって、競争力の向上や新たなビジネスチャンスの創出に貢献する可能性があります。
ただし、ChatGPTは学習データのバイアスにより偏見や差別的表現のリスクがあり、生成テキストは常に倫理的確認が必要です。
また、OpenAI社の使用規約により提供データが無制限で利用される可能性があるため、プライバシーと機密情報の保護も重要です。
そして、AIによる完全自動化を目的とせず、ビジネスパーソンとAIが力を合わせることで、より良い生成物を作るという視点が大切です。
まとめ
ChatGPTのAPIは、コンテンツの整理や社員のスキルアップ、顧客サービスの効率化などで生産性向上に繋がります。生成AIに対する正しい理解と注意点を踏まえ、ツールを使用することが大切です。
何より、APIを活用するためには、ビジネスパーソンのAIリテラシー向上が必須です。本記事を参考に、ChatGPTのAPI活用に向けた第一歩を踏み出して下さい!
(執筆:とかいかん)