株式会社ベネッセコーポレーションと、ウルシステムズ株式会社が共同発起人となり、テレビでもおなじみの慶應義塾大学医学部宮田裕章教授を代表理事として、Generative AI Japanが2024年1月9日に設立されました。発足の目的や活動内容はどのようなものとなっているのでしょうか。生成AIに関わる人達には大きく関係するニュースなので、調査した情報をまとめてご紹介します。
1. Generative AI Japanの目的は?
Generative AI Japanは生成AI活用における教育やキャリア、協業、共創、ルール作り、提言を行うことを目的とした一般社団法人で、日本全体の産業競争力を高めることを目指しています。共同発起人の漆原茂氏のLinkedInの投稿によると略称はGenAI(ジェナイ)と言うそうです。GenAIは活動計画に5つの軸を挙げています。特に生成AIを活用するリテラシーや倫理のための統一ルールは独自の見解に基づくことが多いので、このような団体で意見を取りまとめることは非常に重要な取り組みで期待が持てます。
活動計画 | 内容 |
先端技術の共有と連携 | 変化の速い「生成AI」の先端技術の活用方法づくりと各業界への展開を検討 Google Cloud・Microsoft・AWS・Oracleなどに代表するクラウドベンダーからの最新情報の共有 |
ビジネスユースケースの共有と実装支援 | 生成AIのビジネスユースケースの共有と、新たなケースにおける実装方法の検討・支援 生成AIの技術実装を行っている開発ベンダーの事例を提供 |
Labを起点にした共創・協業 | 産学官連携での共創事例を創出 東西に Lab を設置 - AWS Startup Loft Tokyo(AWS ジャパン 目黒オフィス) - Tech Accelaration Program(Google Cloud 六本木オフィス) - DeloitteTohmatsu InnovationPark(東京・丸の内) - Microsoft AI Co-Innovation Lab(兵庫・神戸市) |
教育・学び | ベースとなる生成AIリテラシー育成(プロンプト)と、高度エンジニア育成の拡大 企業における教育プログラムの検討・開発・提供 |
生成AI活用のルール作り・提言 | 倫理的側面からの議論の実施、セキュリティ対策や危機管理におけるガイドラインづくり 国や公共機関との情報交換と提言 |
2. Generative AI Japanの理事は?
Generative AI Japanの代表理事は慶応大学の宮田教授ですが、他にも数々の著名な方々が理事として参画されています。共同発起人はウルシステムズの漆原氏とベネッセの國吉氏で、もちろん理事として参画しています。ほかにも日本マイクロソフト、アマゾンウェブサービスジャパン、グーグルクラウドジャパン、日本オラクルなどからも参画しており、活動方針にも掲げている代表的なクラウドベンダーとの連携体制が構築されています。その他にも琉球大学工学部教授であり、東京大学大学院工学系研究科教授かつH2L, Inc. CEOである玉城絵美氏や、東京大学松尾豊先生の研究の社会実装を担う会社である松尾研究所からも馬渕邦美氏が参画しており、アカデミアとの連携も伺えます。また馬渕氏はGenerativeAI Lab 所長としての役割も担っており、企業との共創・協業による事例創出も目指しています。
慶應義塾大学医学部 教授
宮田 裕章
ウルシステムズ株式会社 代表取締役会長
漆原 茂
株式会社 ベネッセコーポレーション データソリューション部 部長
國吉 啓介
※画像はGenerative AI Japanのサイトより引用
3. 企業の関わり方は?
定款には当法人には、以下の会員を置くと記載されており、企業ごとのニーズや思惑により、適切な関わり方を選択できそうです。
会員区分 | 概要 |
正会員 | 当法人の目的に賛同して入会し、積極的に当法人の活動を推進する法人、団体 |
賛助会員 | 当法人の目的に賛同して入会し、当法人の活動を推進する法人、団体 |
特別会員 | 当法人の目的に賛同して入会し、当法人の活動を推進する大学、研究機関、自治体 |
顧問会員 | 個人で正会員2名以上の推薦を受け、理事会の承認を受けたもの |
有識者会員 | 個人で正会員2名以上の推薦を受け、理事会の承認を受けたもの |
なお、発足時の会員企業は以下の通りとして明かされていますが、どの区分の会員としての参加であるかの情報は得られませんでした。
会員一覧 |
アサヒグループホールディングス |
インフロニア・ホールディングス |
関西電力 |
JTB |
セコム |
ソフトバンクロボティクス |
大和ハウス工業 |
東京海上ホールディングス |
東京ガス |
日本たばこ産業 |
日本郵政 |
パーソルホールディングス |
博報堂DYホールディングス |
PwCコンサルティング合同会社 |
三井住友カード(参加予定) |
ルミネ |
まだ活動は始まったばかりのため、具体的なニュースは出ていませんでしたが、これから多くの情報が発信されていくと予想されるので、生成AIに関わるビジネスパーソンは情報を逃さないように注目が必要そうです。ピクアカでは生成AIにまつわるニュースや情報を定期的に発信していますので、こちらもご活用ください。
(文・Novusearch)