JetsonはGPUを積んだシングルボードコンピュータ
Jetsonの特徴はなんと言ってもGPUを積んでいることでしょう。Raspberry PiにもまったくGPUがない訳ではありません。Broadcom VideoCore IVというGPUが搭載されています。しかしこれはモバイル向けのGPUであって、機械学習などに使えるものではありません。それに対してJetson Nanoの場合、CUDAコア128基のGPUを積んでいます。さらにJetson TX2は256基、Jetson AGX Xavierは512基となっています。エッジIoTデバイスとして、Jetsonは最適と言えるでしょう。
Jetsonは開発キットが必須
Raspberry Piの場合はそれ単体でネットワークに接続したり、各種HATを接続できます。しかしJetsonの場合はボードのみになりますので、IoTプロジェクトで活かす際には開発キットが必須になります。開発キットを取り付けることでUSB、HDMI、LANなどが使えるようになります。なお、GPUを使う場合にはファンや冷却する仕組みを別途用意した方が良いでしょう。熱くなるとパフォーマンスが低下したり、壊れる原因になります。
サポートしているOSが違います
Raspberry Piはデフォルトとも言えるRaspbianの他、Ubuntu(MATE)やWindows 10 IOT Core、RiscOS、SUSEが公式のサードパーティーOSとして登録されています。その他、非公式なOSではPiDora、Gentoo Linux、Chromium OSなども利用可能です。
JetsonはUbuntuのみサポートしています。他のOSではGPUがサポートされていない場合もあるでしょう。
動作電圧が違います
Raspberry Piの場合、マイクロUSBを繋ぐ程度で十分動作するでしょう。しかしJetson Nanoの場合、マイクロUSB給電だけでは動作が不安定です。別途SUCCUL ACアダプター 5V 4A 外径5.5mm(内径2.1mm)などを購入した方が良いでしょう。また、その際にはジャンパーピンも必要です。
ピン配置が違います
Raspberry Pi、Jetsonともに40ピンですが、その配置は細かく違っているようです。そのためRaspberry Pi用のHATがそのまま使える訳ではなさそうです。なお、カメラモジュールはv2であればJetsonでも使えるようです。
参考:NVIDIA Jetson Nano J41 Header Pinout – JetsonHacks、splitbrain/rpibplusleaf: Raspberry Pi B+ Pinout Leaf
まとめ
Raspberry PiとJetson Nanoはどちらも素晴らしいデバイスです。どちらを使うかは、IoTプロジェクトによって異なるでしょう。機械学習やGPUによる計算処理をエッジ側で行う場合にはJetsonをお勧めします。クラウドを活用して処理を行うのであれば、Raspberry Piでも十分でしょう。
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