Clippyは90年代のMicrosoftのOfficeソフトに搭載されていたアシスタントの呼称です。日本ではイルカのアシスタントが有名ですが、欧米ではこのClippyも高い知名度を持っています。このアシスタントは残念ながら、あまりユーザーからの高い評価を得られなかったようで、2007年からは製品には搭載されなくなってしまいました。しかし、あのイルカのように人々の記憶には残り続けていました。近年の生成AIの進化を受けて、今なら優秀なAIアシスタントが作れると期待に胸を膨らませる方々も多いのではないでしょうか。同じように考えたDavid PackmanはRaspberry PiとChatGPTでClippyを優秀なAIアシスタントとしてこの世に蘇らせました。
まずClippyのコミカルで愛らしい見た目は3Dプリンターで作成されました。眉毛も動くようになっているようです。この3Dプリンターのモデルはこちらで公開されています。<https://www.printables.com/model/413897-clippygpt>
肝心の中身ですが、Raspberry Piで構築されています。拡張ボードとしてAdafruit CRICKIT HATが使われており、スピーカーなどと連動させることで、このClippyを音声で動かせるようにしています。音声データの処理はAzureのAIスピーチサービスを用いて処理されており、音声出力も可能となります。そして応答にはChatGPTが用いられています。OpenAIのPythonライブラリを使用してChatGPTのクエリを実行し、マイクロソフトのAzure音声サービスを利用して、音声からテキストへの変換とその逆を行います。つまり、「Hey, Clippy」と言うことでClippyを起動させ、質問をすると、ClippyがChatGPTを通じてクエリを実行し、Azureを使ったテキストから音声への変換で情報を返してくれるというわけです。これらは作成された時点での機能とサービスを元に構築されていますが、MicrosoftとOpenAIの連携も着実に進んでいるので、このような手順ではなく、より簡易にAIアシスタントを構築できるようになるかもしれません。また見た目からわかるように、もちろんディスプレイも搭載されています。より詳しいパーツ構成と作り方はこちらのサイトで公開されています。<https://www.hackster.io/david-packman/clippygpt-6a683a>このサイトではコードや組み立て方のコツまで詳しく書かれていますので、ご興味がある方はご自身でも挑戦してみてください。
このように生成AIの進化によってテクノロジーはより我々の身近な存在となってきています。Raspberry Piも扱えるようになると、できることの幅が広がりますね。ピクアカではRaspberry Piの入門講座を無料公開中なので、この機会に是非ご活用ください。<https://www.picaca.jp/p/raspberry-pi>
(Novusearch)