Googleは2024年9月24日にGoogle WorkspaceにGeminiアプリへのアクセスを標準機能として追加することを発表しました。他にも追加料金を支払うことで、Geminiのハイエンドモデルの活用や、Google Workspaceと連携し、例えばGmailの文面作成などにもGeminiを活用できます。しかし、まだまだChatGPTの方が知名度も高く、Geminiの性能やできることについては知らない方も多いのではないでしょうか。今回はGeminiの進化やGoogle Workspaceでの活用方法について紹介します。
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1. Geminiの進化とは?
2024年9月にChatGPTがo1-previewのような高性能なAIモデルを発表していましたが、Googleも負けじと生成AIのアップデートを行っています。2024年11月14日に発表されたGemini-Exp-1114というモデルはChatGPT-4oやo1-previewを押さえてChatbot Arena LLM Leaderboardで総合ランキング1位になりました。文章生成でも視覚タスクでも、さらには数学的な性能でも一位となり、文章生成を得意とするChatGPT-4oとo1-previewの両方を合わせたようなモデルとして非常に注目を集めました。
しかし、OpenAIも黙ってはおらず、11月20日にはChatGPT-4oの最新モデルを発表し、1位の座を奪い返しました。しかし、驚くべきことにその1日後、GoogleはGemini-Exp-1121というモデルを公開し、再び首位の座を奪い返しました。まさに日進月歩の進化が続いており、Geminiの進化が止まりません。
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現在は、Google AI Studio<https://aistudio.google.com/app/prompts/new_chat>で使用可能となっています。すぐにAPIの公開もされているので、今後はGoogle Workspaceなどで活用できるようになるでしょう。今までのGeminiの名前付けのルールから外れているため、Gemini 1.5 Proなどのマイナーアップデートではなく、Gemini 2として大規模アップデートで導入されるのではないでしょうか。
Google AI Studioはログインするとすぐに使うことができ、右側のModelからGemini-Exp-1114もGemini-Exp-1121も選択できます。
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2. GeminiをGoogle Workspaceで活用するには?
Google Workspaceにも複数のプランがありますが、いずれのプランでもGeminiアプリへのアクセスが付いてきます。GeminiアプリとはChatGPTのように対話形式で生成AIからの回答を得るもので、Googleアカウントがあれば活用することができます。
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GmailやGoogleドキュメント、スプレッドシートでGeminiを使うためには追加料金が必要になっており、Gemini Businessでは2,260円、Enterpriseでは3,400円となっています。(2024年11月29日時点)追加料金を払うことでChatGPTを上回る最新モデルをいち早く利用することができるようになります。またEnterprise版では、Google Meetでのリアルタイム翻訳や議事録作成、またGeminiの使用回数制限がないなどのメリットがあります。
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Gemini for Google Workspaceは、GmailやGoogleドキュメントでの文章生成を支援してくれたり、Googleスライドで画像生成やスライド生成を支援してくれたり、Googleスプレッドシートでは関数を含んだテンプレートを生成してくれたり、Google Driveでは自然言語による検索やファイルの内容の要約をしてくれます。文章生成はアプリを経由せずに簡単にできるようになっている点が便利ですね。スライド生成やスプレッドシートの関数の提案はWorkspaceと連携したからこその機能とも言えそうです。
さらに、2024年11月7日にGoogleはWorkspaceユーザー向けにGoogle Vidsという新しいアプリケーションも発表しています。これはGeminiの機能として、ドキュメントからビジネス用の動画を生成してくれるアプリケーションです。スクリプトやナレーションの生成もでき、音声はGeminiが持つプリセットから選択できるようです。このようにGoogleのGeminiはアプリケーションとしても進化を続けています。Googleは他にも子会社であるDeepMindから「Veo」という動画生成AIも発表しています。こちらはまだ一般ユーザー向けには公開されていませんが、Geminiの動画生成の機能とも連携して、さらに進化することも期待できます。
生成AIというとOpenAIのChatGPTが一番に思い浮かびますが、Googleも負けじとアップデートを続けています。加速度的に進化しているので、今後のアップデートにも注目してください。